どうも、MERISE編集長のJUNこと小林です。
この記事では
- なぜ人はなかなか集中することができないのか?
- 今すぐ勉強の集中力を最大化するために必要な3つの要素
- 集中できる頭のコンディションを作る方法
- すぐにゾーンに入るための4つのルーティン
- 集中力を上げるために音楽を聴くのは果たして効果があるのか?
- 集中力が切れた時の対処法
などを紹介しています。
いろいろ調べた結果、2017年6月の現時点では
- 集中状態というのは緊張とリラックスのバランスが取れている状態。体をリラックスさせることで集中しやすくなる。
- 脳は外部の情報の8割を視覚に頼っているので、視点を固定する事で集中力上昇にかなり貢献する。
- 作業はシングルタスク(1つに絞ること)にすること。
- スタンディングデスク(立って仕事をする)を採用したこと。
この4つが集中力向上に大きく貢献してくれることがわかりました。
目次
【1】「集中している」ってどんな状態?
作業に集中していたり、仕事の効率がアップしている時というのは、緊張状態とリラックス状態のバランスが取れている時です。
よく「α波が出すとリラックスするんだよ」と言われヒーリング系のCDなどが販売されていますが、どうやらα波には3種類あるようですね。
- α1波
- α2波
- α3波
この3つがあります。リラックスと緊張のバランスが取れた覚醒度の高いリラックス状態(冷静な状態)ではβ波とα2波かα3波が出現するのですが,それに対し覚醒度の低いリラックス状態(ぼんやりしている)ではα1波が出現するようです。
図ではα波が3種類ありますが、今回は大きく2つに分けます。
- ぼんやりするリラックス
- 集中してリラックス
高い集中状態を作るのは、後者の集中してリラックスしている状態です。
【2】人はなぜ集中できないのか?
じゃあ、なぜ集中できないのでしょうか?
1.情報量の増大
時代の影響がかなり大きそうです。ここ10年ちょっとでデータが増えた量がこちら。
1年で生み出されるデータ量
- 2000年 64億ギガバイト
- 2013年 4・4兆ギガバイト
米 調査会社IDC調べ
世の中にあるデータ量が約700倍になっています。1年で増える分だけで700倍って相当ですよね。ちなみにこのまま行くと2020年には44兆ギガバイトまで膨れ上がるそうです。
2000年から計算すると20年間で約7000倍になるってことですね。
2.集中力を下げるスマホの存在
僕らの周りにこれだけ情報が増えていたらそりゃ注意力も削がれますよね。昔はテレビとファミコンが勉強の敵でしたが、今はもっと増えましたよね。
- LINE
- YouTube
まあ、僕らの身の回りは集中力を削ぐものオンパレードです(苦笑)
よくカフェとかに行くとご飯を食べながらスマホをいじっている人が多いですが、それをやると完全にマルチタスク癖がつくので良くないです。
「マルチタスクで色々こなせるようになる」というメリットがある反面「1つのことに集中する」ということができなくなります。今は集中力がそがれやすい時代ということですね。
【3】4つの集中力の種類
集中力には4つの種類があります。
1.外へ広く向かう集中
複雑なスポーツ場面を認識するのに最適。状況を評価するときやチームスポーツなどで用いられます。
2.外へ狭く向かう集中
ボールをヒットするときや1人の対戦相手に反応するときなどは、注意の範囲を狭くしなければならない。格闘技などが当てはまる。
3.内へ広く向かう集中
スポーツを分析的に見るときに最適。コーチはゲームのプランを立てたり、予想したり、 過去を思い出したりするのに、このタイプの注意を使う。すぐに学習する人は、この能力に優れている。
4.内へ狭く向かう集中
自分の身体の状態に敏感にならなければならないときに最適。精神を統一したり、スキルをイメージの中でリハーサルしたりするときに要求される。
注意様式の分類
引用:日本大学文理学部体育学科
よく「気が散る」って表現をしますが、その状態は「外に集中力が向いている状態」と言えます。こういう集中力がないと、車の運転とかに支障が出るはずです。だから、大切なんですね。
目の前の1つのことに集中するのはまた別の集中力なので、使い分けが必要ってことですね。
【4】今すぐに集中力を最大化するために大切な3つのこと
集中力をあげるために取った方がいい栄養素や食べ物はありますし、もちろん睡眠は絶対大切なのですが、そんな習慣が大切なことは多くの人がわかっているはずです。
「今すぐ集中力を上げたい!」という人のために個人的に即効性のある対処法を3つあげました。
1.呼吸
後ほど詳しく書きますが、脳には酸素が重要です。鼻から空気を吸って、口からゆっくり吐く瞑想的な呼吸が重要になってきます。米グーグルや米インテルなどの会社でマインドフルネスが流行っていますよね。
マインドフルネスとは
今この瞬間に注意を向けて、自己認識を深めるための瞑想法。
引用:Wikipedia
ざっくり言うと、マインドフルネスとは瞑想から宗教色をなくしていいとこ取りしてようなものですね(笑)
脳科学的に裏付けがあり、実際に仕事の効率が上がることから米企業が次々導入するようになったようです。
2.姿勢
「頭を使うと脳が疲れる」と思うかもしれませんが、実は「体が疲れて集中力が切れているんだ」「脳は疲れない」と言っている脳科学者もいます。
姿勢は呼吸にも関わるので、集中力アップに効果ありです。
正しい姿勢をとることで疲れなくなり、集中力が持続します。
3.眼球
人間は情報の8割を視覚から得ていると言われています。
ってことは単純に「眼球」が目の前のことに集中していれば、集中力が上がる可能性が高いということ。
「情報取得の8割をコントロールできれば集中力が上がるっしょ!」ってことですね。
この3つが個人的に即効性があると思いました。
特に3番の「目を集中させる」のはかなり有効です。詳しいやり方は後ほど。
【5】集中できる頭のコンディションを作る方法
勉強に集中するための頭のコンディション作りについて紹介します。個人的に「口呼吸が頭を悪くする」という話が衝撃的でした。
1.鼻呼吸をすることが大切
鼻呼吸は脳を冷却する効果や脳の機能に関係していることが判明したようです。
鼻呼吸で頭が良くなる?
米雑誌「Mindful」オンライン版(2月16日付)などによると、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学院の研究者らが、脳の機能と「鼻呼吸」が密接に関係していることを突き止めたという。
脳は活動エネルギーとして大量のブドウ糖を酸素で燃やして使うのですが、その際に熱(活動熱)が生じます。その熱によって水と脂(リポ蛋白)でできている脳自体が融けないように熱を奪うための冷却システムが頭部、顎顔面部、頸部に備わっています。
鼻呼吸による「空冷システム」で、鼻呼吸によって新鮮な低い温度の空気を鼻から取り込むことにより脳の下に相当する鼻腔・副鼻腔を抜け、ホルモンの中枢である下垂体の下の蝶形骨洞を通ることによって温度を下げ、下垂体を取り巻く海綿静脈洞をも冷やして熱で破壊されないように脳を守っている。
引用:市沢カイロプラクティッ ク「鼻呼吸は天然の冷却システム」
僕は以前、歯科関係の仕事をしていたのですが、口呼吸は体にいいことがないです。風邪もひきやすいですしね。脳が熱を持ってくるので、特に「息を吸う時」は鼻からした方が良さそうです。
2.姿勢の正し方
鼻呼吸と姿勢の関係性なのですが、歯科医師の見解はこうです。
口呼吸の人は姿勢も悪くなります。口呼吸では前かがみ(猫背)で顎を突き出し、胸で浅く小刻みに呼吸する胸式呼吸になっています。
引用:福増矯正 歯科
鼻呼吸がいいことはわかってもらえたと思いますが、なんと姿勢が悪いことで口呼吸になりやすいんです。口呼吸は姿勢を悪くしないと空気の通りが悪くなるんですね。
姿勢を正す理由は呼吸が浅くなって、脳に酸素が行きづらくなることを防ぐためです。
姿勢の正し方は以下を参考にしてみてください。
- イスに浅く腰掛ける。
- 自分の聞き手を頭に乗せ、手のひらで軽く頭を押さえつける。
- 上から頭を押さえつける力に反発するように、アゴを引いて、背筋をグッと上へ伸ばす。
- 利き手を頭の上から下ろす。
- 両肩をグッと上げて、2〜3秒、緊張した状態にしておきます。
- 脱力して、両肩をストン!と下ろす。
これでいい姿勢の完成です。
このまま勉強や仕事に入っていきましょう!
3.緊張状態をほぐす
先ほど、「集中してリラックス」した状態がいいという話をしましたが、その状態を作るためにあえて先に緊張状態を作ります。
緊張状態からリラックス状態になる方法は以下の通りです。
- 両肩をグッと上げて緊張させる。
- そこからさらに肩を上げて緊張させる。
- 我慢できなくなったら肩を下げる。
こんな感じで緊張状態から力を抜けば、その状態はリラックスしていると言えます。
いきなりリラックスしようとしても何をどうすればいいのかわからないと思うので、まずは体に力を入れる。そこから力を抜けばリラックスした状態になるということです。
人ってずっと緊張状態にはなれないので、我慢できなくなったところから力を抜けば、体はリラックス状態になったと言っていいでしょう。
4.眼球ストレッチ
運動する前と同じで仕事や勉強をする前も眼球のストレッチをしましょう。疲れた時にも有効です。
「集中力は眼球の動きと密接にかかわっているので、こんな運動をしてみましょう。(1)パソコンの中央を見つめる、(2)顔を動かさず眼球だけを動かしてモニターの四隅を右上→右下→左下→左上と時計回りに見つめ2周する、(3)次に反時計回りに見つめて2周する、(4)終わったらふぅ~っと息を吐く」
あと、顔を固定したまま眼球だけを行けるところまで右に寄せる(右を見る)or左に寄せる(左を見る)。こういう運動をすると目のストレッチになります。
【6】すぐ「ゾーン」に入るための4つのルーティン
「ゾーンに入る」というと、大げさに聞こえるかもしれませんが、それに近い状態に持っていくことはできるようです。
1.視覚集中「視点を一点に集中する」
先ほども言いましが、脳は外部からの情報の8割を視覚から受け取っています。
なので、視点(8割の力)を1つに集めることで集中状態に入れるはずです。紙にマジックで「黒い点」を書いて20秒間見つめてみてください。その後、目を一旦閉じてゆっくり開けます。
紙に書くのがめんどくさかったら自分の体にあるホクロを見つめてもオッケーです。もしホクロがない場合はマジックで書いちゃいましょう(笑)
2.聴覚集中「周りの音に耳をすます」
目を閉じて、周りから聞こえる音を3つ探す。視覚を遮断することで感覚が研ぎ澄まされ、いつもは聞き取れない音を拾うことができるようになります。
3つ音を見つけたらゆっくり目を開けると気分がリフレッシュされて、集中状態に入りやすくなりますよ。
3.触覚集中「指で10円玉を立てる」
10円玉を指で立てることで視覚の集中効果と触覚の集中効果が得られる。1分間で5枚を目標にやってみてください。
これ自体にイライラするようだったら、ただちに作業を中断してください(苦笑)
4.嗅覚集中「柑橘(かんきつ)系の香りを嗅ぐ」
香りは柑橘系が集中力アップにつながるようです。
香りのない時のミス率を100とすると
- ラベンダー系の香り・・・79.2
- ジャスミン系の香り・・・66.8
- レモン系の香り・・・45.8
引用:日本大学文理学部体育学科
やはり、ラベンダーのように強いリラックス(α1波)が出すぎるとミスが増えるようですね。
個人的には4つの中で20秒一点を見つめる、視覚集中が一番効果がありました。
【7】集中力を可視化して測定できるメガネ
時代は進歩しました。いよいよ集中力がメガネとスマホアプリを使って可視化できるようになったようです。
集中は JINS MEME でコントロールできる。
引用:JINS
いやー、すごい時代ですね。その効果は以下の通りです。
4つのルーティンを試し集中力が上がったデータ
引用:週刊ダイヤ モンド
このデータから4つのルーティンに効果があることがわかりますね。
ちなみにこのメガネの集中力の判定方法は
- まばたきの回数(少ないほど集中している)
- 黒目の動く速度(リラックスすると安定している)
- 姿勢(姿勢が安定しないと、集中力が落ちる原因になる)
この3つを測定して数値化しているようです。
やはり、目と姿勢がポイントになっているようです。
【8】集中力をあげるために音楽を聴くのは果たして効果があるのか?
さて、「音楽は果たして集中力を上げることに貢献するのでしょうか?」結論から言うと「何もなしで集中できるのなら音楽はない方がいい」ということになります。
しかし、勉強や仕事に入る前に音楽を聞いて、テンションを上げることに使う分には高い効果があるようですし、一概に言えないところもあります。
「勉強中に音楽を聴くのはなぜですか?」
- 騒音を遮るため
24人- 勉強の能率を上げるため
25人- 退屈だから
58人- 音楽を聴きたいから
128人引用:騒音とB.G.M.が知的作業に及ぼす影響に 関する実験的研究(第2報)
個人的にかなり衝撃だったのですが、「勉強中に音楽を聴くのは音楽を聴きたいからだ」だそうです。「はい???」って感じですが、勉強の効率を上げるために音楽を聴いている人は少なかったというデータです。
「音楽を聴きたいから勉強しながら音楽を聴いている」って事実を聞いた時なんだか今まで壮大な感違いをしていたような気分になりました(笑)
勉強が“ついで”になっています(苦笑)
知的作業時にはBGMは効果があるとは言えない
知的作業以外の場合はBGMは効果があると言える。
単純作業をやっている時はBGMは助けになるけど、複雑で深く考えないといけない作業や計算をしている時にはBGMは邪魔になるらしいです。
ということで、BGMがあったからといって超絶集中力が上がるということはなさそうなのですが、これは個人差もあります。
聴くなら邪魔にはならないけど、周りの音を消してくれるBGMがいいのではないかと思います。というわけで、どうしても音が欲しい場合は「自然音」がオススメです。
※音が出ます。
もちろん、音楽があったほうが集中できるならそのほうがいいので、自分のスタイルに合った方法をオススメします。
あ、もちろん集中力を上げて作業をはかどらせるために音楽を聞いてくださいね(笑)
【9】集中力が切れた時の対処法
とはいえ、どうしても集中力は切れてしまいますよね。そんな時の対処法を紹介します。
1.昼寝を15分する
どうしても集中できない時は「寝ましょう」。ただ15分以上寝てしまうと深い眠りと言われる「ノンレム睡眠」に入ってしまうので、起きた時だるくなってしまいます。
なので、もし15分寝てもまだ疲れていたら、またどこかで15分仮眠を取ればオッケーです。連続して15分以上寝なければ何度休憩を取っても大丈夫。
2.スタンディングデスク
集中力をアップさせる上でも、作業効率を上げるためにもこの方法はかなり効果がありました。要するに「立って仕事をする」ってことです。
職場の環境もあるので、できる人は限られてしまうかもしれませんが、できる人はやってみてください。
立って作業をするメリットは姿勢が悪くならないので集中力が持続することです。椅子に座っているとどうしても前かがみになってしまいますが、立っていればその心配はありません。
- 座って作業するよりも自然と集中力が上がる。
- 頭の回転がいつもより早いかなと感じる。
- パソコンの作業が楽。
- 背中、肩が痛くならない。
スタンディングデスクはかなりメリットが多いです。
【10】集中力を上げるためのオススメの本
著者:森健次郎氏『机に向かってすぐに集中する技術』です。気持ちでなんとかする方法ではなく、「見るだけで集中力が高まるカード」などが付いていたりで、集中力を上げる方法が具体的に書かれています。
会社名が「株式会社 集中力」ですからね。一読して損はない一冊です。
【11】勉強の集中力を20秒でアップさせる4つのルーティン|まとめ
現段階で集中力に関して分かったことをまとめてみましたがいかがだったでしょうか。調べていくと「集中力」という分野はかなり奥が深いっぽいので、今後も調査しながら記事を追記していこうと思います。
では、今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。