どうも、MERISE編集長のJUNこと小林です。
この記事では「人見知りを克服したい!」という方のために人見知りの克服法についてまとめてみました。
結論から言いますが、人見知りは、自分に強く向いている意識のベクトルを他者に向けることによって克服できます。
日本には「恥の文化」があるので、日本人は基本的に人見知りの傾向が強いです。なので、人見知りというのは普通のことですし、悪いことでもなんでもありません。
しかし、意識が自分だけに強く向いてしまうクセがつき、それが習慣化してしまうと相手があなたのことをどう思っているかわからないのに、
- 「人から悪く思われていないだろうか」
- 「迷惑なんじゃないだろうか」
- 「自分の悪いところを見透かされているんじゃないだろうか」
という風に思い込んでしまい、自分で勝手に決めつけてしまうようになります。
相手が本当はどう思っているかなんて実際はわからないですよね。でも、人見知りの人は相手の心理を勝手に決めつけてしまう思考のクセがあるので、さらに人見知りに拍車がかかってしまうのです。
その負のループを壊すためにこの記事では
- 人見知りになってしまう3つの原因
- 人付き合いがラクになる「3つの目」
- 負の人見知りスパイラルから抜け出すために知っておきたい「7つの決めつけ」とは?
- 自分のことを正しく主張する5つの方法
- 人前に出ることをためらわせる2つの不安
などについて書きました。
人見知り最大の原因は、自分に強く向いた意識のベクトルによる「思い込み」と「決めつけ」にあります。
自分を正しく「客観視」することで、ごちゃごちゃに絡まった糸が解けるように少しずつ人見知りが克服できるはずです。
ぜひ、最後まで読んでください。
目次
【1】人見知りとは?
「人見知り」という言葉は主に赤ちゃんに対して使われる言葉のようです。
人見知りとは
生後6ヵ月頃から始る,見慣れない者が近づくと微笑を示さなくなり,さらに恐れを示すようになる反応。
引用:コトバンク
子供などが、知らない人を見て、恥ずかしがったり嫌ったりすること。「人見知りして泣く子」
引用:goo辞書
赤ちゃんに対して「最近、人見知りするようになってきた」なんて使い方をしますが、「人見知る」というのは「知っている人とそうじゃない人を判断できるようになった」という意味です。
乳児は生後2~3ヵ月から5ヵ月頃までは人見知りしないようなのですが、6ヵ月頃から見慣れた人と見慣れない人の顔を見比べられるようになってくるそうです。
生後6ヶ月から人見知りが始まっているということは、ほぼ【年齢=人見知り歴】と言ってもいいかもしれませんね。遺伝子的にも日本人は不安遺伝子が多いようなので98%の日本人が人見知りのプロと言っていいでしょう(笑)
<ざっくり言って。日本人の98%は不安が強いタイプです>
引用:あさなぎ心療内科
なので、「私は人見知りだからうまくコミュニュケーションが取れない・・・」と落ち込む必要なありません。2%の人間に当てはまってない限り、あなたも人見知りでしょうし、僕も人見知りです。
人見知りは「わからないものを警戒する」という、人として持っていないといけない大切な1つの機能です。
知らない人に警戒心や恐怖を感じない方がよっぽど危険ですよね。
【2】なぜ人見知りになってしまうのか?人見知りの原因とは
「他人の目線が気になる」とか「大勢の前に出ると緊張してしまう」というのは人間なら誰しも持っている機能です。
「人見知る」(知ってる人とそうじゃない人を区別できる能力)というのは当たり前のことですし、未知のものに恐怖を感じるのも人間の本能です。
しかし、「人見知り」は機能として持っている分には問題ないのですが、それが極まるとコミュニケーションに影響が出てきます。「なぜ人見知りになってしまうのか?」その原因を見ていきましょう。
人見知りの原因1:自己評価が低いから
『三つ子の魂百まで』とはよく言ったもので、子供の頃にたっぷり愛情を受けて育っていると「特別なことをしなくても、自分は受け入れられるんだ」という根拠のない自信が持てます。
これが自己評価を上げる元になるんですね。
しかし、例えば「〇〇しない子はウチの子じゃない」という感じで条件付きの愛情になると子供は親の機嫌を伺うようになります。
「人の役に立たないと受け入れてもらえない」と思うようになり、愛情を手にいれるのに自分を押し殺して相手の気にいるようなことをし始めます。
次第に、人間関係で何か問題が発生したりすると「自分に原因がある」と思うクセがついてきて、いつも相手に合わせるようになってきます。そうやって大人になるとありのままの自分が出せなくなっていきます。
これが自己評価を下げる元になるんですね。
(※もちろん親との関係が全てを決めるわけではありません。)
人間の基礎機能としての「人見知り」は誰もが持っているのですが、自分を素直に出せない「人見知り」は子供の頃に少しずつ形成され始めていると言えます。
人見知りの原因2:意識のベクトルが自分にしか向いていないから
人見知りの人は「意識のベクトルが自分に向きやすい」と言いましたが、普通の人よりも不安が強いので「自分のダメなところ」に意識がいきやすい傾向にあります。
「私、人見知りなので、、、」という言葉も「私は人見知りなのでコミュニケーションがうまくないんです。」と自分のダメなところに意識がいっている証拠です。
たとえば、友人の結婚式でスピーチを頼まれた場合。
人見知りの人は
- うまくできないかもしれない
- 恥ずかしい思いをするかもしれない
- 人に笑われるかもしれない
という思考回路になります。
これはまさに自分のことにしかベクトルが向いていない状態ですね。
もし相手にベクトルが向いているなら
- 何を話せば喜んでくれるかな?
- あいつとの思い出で楽しかったことは何だっけな?
- 奥さんとの出会ったキッカケは何だっけ?
という思考回路になるはずです。
もちろん、人の前でスピーチする時に不安を全く感じない人はいないので「うまくできないかもしれない」と思うのは普通のことです。
しかし、人見知りが強い人は他者よりも自分に意識が多く向かっていることが多いのです。
人見知りの原因3:「思い込み」や「決めつけ」による負のループ
人見知りは意識のベクトルが自分に向いていて、しかも不安が強いです。
なので、
- 「いきなり知り合いと会ったら何をしゃべっていいのかわからない」
- 「話すときに人と目が合わせられない」
- 「大勢の前に立つと顔が赤くなってしまう」
こういう不安があって実際にその場面になると「うまくしゃべれない」とか「相手に自分を悟られてしまう」と思い込んで決めつけてしまいます。
思い込んでいるので、実際にうまくいかないことも多いです。
しかし、周りから見てうまくいっている場合でも不安が強いため自分の成功体験に意識が向きません。
人見知りの人の思考回路はこういう感じです。
- 失敗経験・キッカケ
- 誤った考え(次もまたうまくいかないだろう→思い込み)
- 体と心が不安になりやすくなる(注意が自分に向きやすくなる)
- 誤った考え(きっと次もうまくいかない→決めつけ)
- 回避行動に出る
こういう順序をたどって、1〜5をループします。
どんどん「思い込み」が強化されて、自分を「決めつけ」てしまい、最終的にストレスのかかる状況から逃げてしまいます。逃げた経験がキッカケとなり、、、という感じで堂々巡りです。
人間の機能としての「人見知り」は誰にでもありますが、
- 自分にしか向いていない強い意識のベクトル
- 思い込み
- 決めつけ
これらによって人見知りは2つのパターンに分かれていきます。
【3】人付き合いがラクになる秘訣「3つの視点」とは
人見知りの人は「意識の目」が自分に向いているのですが、「意識の目」には3つの種類があります。
この章では
- 「自分のことをどういう目で見ればいいのか?」
- 「他人のことをどういう目で見ればいいのか?」
がわかるので、自分との付き合い方や他人との付き合いがラクになるはずです。
1.プラスの視点
「〇〇さんのいいところはここだね」などのように人の良いところを見るのがプラスの視点です。
小さな子供や会社の後輩など、愛おしい人や可愛がっている人に向ける見守るようなポジティブな視点とも言えますね。
2.ゼロの視点
人を冷静に理解するのがゼロの視点です。
世の中には自分にとって理解できないこともたくさんあると思いますが、多くの場合感情でモノゴトを見てしまいイライラしたりしますよね。ではなくて、一旦感情を排除してゼロにすることが大切です。
事実を理解するための冷静な目がゼロの視点です。
「思い込み」や「決めつけ」などの感情的な部分を排除して冷静にモノゴトの本質や事実だけを見る目のことです。
3.マイナスの視点
人の悪いところを見るのがマイナスの視点です。
人間はこの視点の時に攻撃的になって、人の悪い部分に注目したり、威嚇や監視・比較や値踏みをしたりします。人見知りの人は自分の苦手な場面に遭遇した時、常に自分と他者をこの視点で見ている傾向があります。
気後れしてしまったり、人と比べて自分を下げてしまったりするのは、マイナスの視点で自分を見ているからです。
自信がないとどうしても「私にはできない」と思って自分をマイナスに捉えがちです。マイナスの視点で自分を見ると周りが見えなくなります。
周りが見えなくなると怖いので、さらにネガティブなことを考えるようになるんですね。
そういう時は「今の自分にはフィルターがかかっていてマイナスの視点になっている」と思って自分を客観視してみてください。
マイナスの状態からプラスになるのは難しいと思いますが、ゼロの視点で見ることはできるはずです。
【マイナス→ゼロ】に少しでも視点を移動することで、自分を冷静に客観視してみましょう。
【4】人見知りの人は「見られること」に恐怖を感じる
人見知りの人は視線に恐怖を感じます。例えば、学校の授業風景を思い浮かべてください。
例:授業中に「この問題を解いてみろ」と先生に言われる瞬間
数学の先生が授業をしています。黒板に板書しながら説明をし始めました。生徒は黒板と先生を見ながらノートを取っています。この段階では生徒が先生を見ている状態です。
- 生徒が見る側
- 先生が見られる側
【生徒→先生】です。
で、先生が一通り説明を終えて「じゃあ、問題出すぞ」と言いました。「誰に答えてもらおうかなー」と言った瞬間って生徒に緊張感が走りますよね(笑)
あの状態は
- 生徒が見られる側
- 先生が見る側
【先生→生徒】です。
まだ当てられてもいないのに、急に緊張感が走るのはなぜでしょうか?
それはさっきまで生徒が見る側だったのに、急に見られる側(注目される側)になったからです。こんな感じで視線を受ける方は緊張するんですね。見られる側は緊張や恐怖を感じやすいのです。
囚人と看守のように見る側が優勢で、見られる側は劣勢になります。マイナスの視点で見られていると見られる側は不利です。(プラスやゼロの視点で見ればそうはなりません)
人見知りの人は自己評価が低いので、苦手な場面になると自動的に自分やモノゴトをマイナスの視点で見るようになります。
しかも、自分の視点がマイナスなので、他人が自分のことをマイナスかと攻撃的に見ているように感じてしまいます。
「人見知りは視線の病」って言われるそうなのですが、こういうことなんだと思います。
人見知りはいつも見られる立場にいる人と言ってもいいですね。見られる側は、常に観察されたり、評価されたりする立場なのです。
【5】人見知りはこれで解決!他者に意識のベクトルを向ける方法
人見知りを克服するために自分ではなく、他人に意識のベクトルを向ける練習をしていきましょう。
1.自分の体に注意を向ける
いきなり外に意識を向けるのではなく、まずは内側に意識を向けていきます。
- 呼吸の調子はどうだろう?
- お腹の具合はどうだろうか?
- 鼓動は規則正しく打っているだろうか?
自分の体に注意を向けます。
2.自分の気持ちに注意を向ける
次は自分の気持ちに意識を向けます。
- 不安ですか?
- 憂鬱ですか?
- 楽しいですか?
- 焦ってますか?
気持ちに注意を向けていきます。
3.自分の外に注意を向ける
最後に自分の外に注意を向けます。
最初に自分の体や気持ちに注意を向ける理由は、いきなり「外に注意を」と言われてもどこからが自分の外側なのか意識しずらいからです。
いきなり外に意識を向けるんじゃなくて、最初に内を見てから外を見ることで意識が外側に向きやすくなります。
意識を外に向けられるようになったら、人とコミュニケーションする時に自分のことを考えるのではなく「相手のことを考えて接してみてください」
右を見ながら、左を見れないのと一緒で、相手に注意を向けることで、おのずと自分には注意はいきません。
これが人見知り克服の第一歩です。
【6】自分のことを正しく主張する3つの注意点
人見知りの人は相手に流されがちになることが多いです。しかし、しっかり主張しないといけない時もありますよね。そんな時のための考え方をシェアします。
1.相手の意見を気にせずに決める
人見知りの人はいわゆる「いい人」が多いので、相手と意見が対立するときはどうしても遠慮してしまいがちです。
しかし、相手の意見が本当に正しいかどうかはわかりませんよね。
もちろん頭ごなしに相手に反対意見を出すのではなく「こういう意見もあるけど、どう?」という感じで「1つの提案」として出せばオッケーです。
相手の意見と対立しそうになった時、常に相手に合わせているとそれがクセになります。
人にずっと合わせていると不満が溜まります。
で、口に出さずにいると「相手に気づいてほしい」という気持ちが出てきます。もし自分の希望がずっと叶えられないと今度は相手を攻撃したくなってくるので、最終的に人間関係が崩れてしまうんですね。
なので、長期的にいい人間関係を築くために、自分の意見は言っていきましょう。もちろんベクトルは相手に向けて、お互いにとってメリットがあるような主張をすれば話は通りやすいはずです。
2.意見はぶれてもいい。
「ブレない人」と聞くといい印象をもつかもしれませんが、「融通が利かない人」と言い換えることもできますよね。人見知りの人は意見がブレてはいけないと思い込んでいて、自分の主張をする時に慎重になります。
ですが、あまり慎重になるのも考えものです。
人見知りの人は完璧主義者も多いので、「ブレてはいけない」と決めつけている人がたくさんいます。
そう思い込んでしまうと、自分の意見を言うことができませんよね。
とはいえ「自分の意見が間違っていないか気になる。どうやって意見を言えばいいんだ?」と思うかもしれません。しかし、そういう時こそゼロの視点で考えてみてください。
「大切なのはその主張が現実に即しているかどうか」です。
変にネガティブにならず、逆にポジティブにもなりすぎずフラットな視点で考えることで意見を言うことができます。
3.長期的視点で考える
時には意見を言って相手を傷つけることがあるかもしれませんが、生きていれば絶対にそういうことはあります。しかし、「これを言ったら傷つけるかもしれない」ということも長期的に考えて相手のためになることだったら言わないといけない場面もありますよね。
自分の意見を言う時に
- 「これは言い過ぎかな」
- 「これは言わない方がいいかな」
と思うことがあったら「その意見や主張は相手のためになるのか?」を考えてみましょう。
言い方は考えないといけませんが、長期的に見て相手にメリットがあるならその意見は言った方がいいことの方が多いです。
自分に意識のベクトルが向いていると、「嫌われたらどうしよう」という風に考えますが、
相手に意識のベクトルが向くと、「これはあいつのためになるか?」という風に考えることができます。
【7】まとめ
人見知りを克服するためには、自分ではなく相手に意識のベクトルを向けることが大切です。
うまく話そうとするのではなくて、相手に喜んでもらえるように話してみましょう。
「うまく話そうとする」のは自分目線あり自分に意識のベクトルが向いている状態です。
そうではなく、相手目線で話せば、自分をマイナスに見ることもなくコミュニケーションのストレスが減るはずです。
「話がうまいな」と思われるよりも「ためになる話を聞いたな」と思ってもらえるようにしましょう。
では、今回はこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがそうございました。