どうも、MERISE編集長のJUNこと小林です。
「自分が頑張らなくても、他の人が頑張ってくれるだろう」
「頑張ったところで自分に直接的な利益はないし・・・」
そんな風に思って、行動しなかった経験はないでしょうか?
この記事では、人の能力を半減させてしまう恐ろしいリンゲルマン効果とは何かを具体例を交えながら解説していきます。
目次
リンゲルマン効果とは?
リンゲルマン効果とは別名「社会的手抜き」と呼ばれるもので、簡単に言うと集団で作業するとつい手抜きをしてしまうという人間心理のことです。
あなたにも身に覚えはないでしょうか?
たとえば、電車の中や駅のホームでケンカしている人を見かけた時。
「あー、ケンカしてるな。誰か止めてくれないかな。駅員さん早く来ないかな…。」
こんなシチュエーションってありますよね。
・・・
しかし、例えばガラッと変わって、個室であなたを含めた3人の人間がいる場合。
残りの2人がケンカを始めたら、多くの人は確実に止めにかかったり、仲裁に入るはずです。
(関係性もあるとは思いますが)同じことが起こっても、周りにたくさんの人がいるかどうかで人間の行動は変わってきます。
「自分の代わりに他の誰かがなんとかしてくれるだろう…」こう思ってしまうのが、リンゲルマン効果(社会的手抜き)です。
さて、結論から言いますが、どうやらリンゲルマン効果は動機付け(モチベーション)が低い場合に起こりやすいようです。
では、以下の実験を見てみましょう。
【関連】【重要】モチベーションの意味と使い方をマスターすると・・・
【関連】モチベーションの上げ方と維持とコツはこの1記事で完ぺき!
リンゲルマンによる綱引きの実験例
- 2人では93%
- 3人では85%
- 4人では77%
- 5人では70%
- 6人では63%
- 7人では56%
- 8人では49%
2015年にNHK Eテレで放送された「大心理学実験」
2015年リンゲルマン効果について、NHKのEテレで大規模な心理学の実験が行われています。
この実験では、筋骨隆々の屈強な男たちに「トラック引きの挑戦」とだけ伝えて実験に参加してもらったようです。
その実験結果は以下の通り。
1人ずつ引いた場合 93.1,107.2,83.5,105.6,141.7kg→平均は106kg
ロープを3本に増やし,3人で引いた場合→平均は100.2kg 1人ずつの場合の94%に減少
ロープを5本に増やし,5人で引いた場合→平均は97.9kg もっと手を抜いた!引用:NHK「大心理学実験」関連情報
この実験でも人数が増えるたびに一人あたりの力が減少しています。
人は集団で生活しているので、人に頼ったり、責任を分散することを覚えたようです。
つまり、「複数で行動する時は手を抜く」ということを自然と体が身につけたようですね。
基本的に、人間は楽な方に流れる性質があるので、この結果は当たり前と言えば当たり前かもしれません。
・・・
では、一方で、綱引きを極めたプロ集団「綱引き連盟」の人たちに同じ実験をしたらどうなったか?
結果、綱引きのプロはほとんど手抜きをしなかったようです。
プロはその道を極めるために努力を重ねてきた人たちです。
つまり、綱引きに対して、高いプライドとモチベーションがある集団だと言えます。
リンゲルマン効果(社会的手抜き)が起こりそうな時でも、課題に対してプロ意識をもって取り組んできた人たちは手抜きをしないということを示唆している結果ですね。
これは綱引きに対して、高いモチベーション(動機付け)があるからこそでしょう。
でも、問題は
プロじゃない人を社会的手抜きをさせないためにはどうしたらいいのか?
ですよね。
その問題を解決するために実施されたのが「チアリーダーを登場させて応援してもらう」という実験でした。
不思議なことに応援してもらうと、トラックを引くことをサボっていた屈強な男たちはサボらずに自分の力を出し切ることができた様子。
応援ってスゴイですよね。
チアリーダーがメチャクチャ美人だったから頑張れたのでは?という懸念もなくはないですが(笑)とにかく応援によって皆フルパワーでトラックを引き始めたようです。
じゃあ、今度は全員を応援するのではなく、特定の個人を応援したらどうなるのか?というと・・・。
特定の個人を応援した結果、「個人は頑張るが他の人間はもっとサボる」という現象が起こったようです(苦笑)
美人に応援したもらえない嫉妬でしょうか?(笑)。
というのは冗談ですが、やはり応援には力を引き出すパワーがあるようですね。
介護の現場での例
さて、世の中で見られる身近な例としては、介護の例が挙げられると思います。
僕の母親による義祖母の介護の話を例にしてみたいと思います。
僕の母親は、僕の父親の両親と一緒に暮らしていました。
僕の父親の兄弟は3人。父を入れて4人兄弟になります。
祖母はもう亡くなってしまいましたが、当時1番介護していたのは、僕の母親でした。
実際に介護しまくっているのは、僕の母親なのですが、血はつながっていないので、息子のボクとしては「なぜ母親がメインで介護をしているんだ?」という疑問がずっとありました。
もちろん、一緒に暮らしていて、1番近くにいるのでお世話をするのは、ある意味仕方のないことなのですが、問題は父親を含めた兄弟からのフォローがないことです。
なんなら、何か問題が起こった時はボクの母親の責任にするぐらいの勢いでした。
いやいや、オカシイだろうと。
あなた達(父親の兄弟)の母親でしょうと。
介護のフォローはあって当然だろうし、もっと手伝うのが当然のスジでしょうと。
自分の母親の介護を他人(ボクの母親)に任せっきりにするのは、心苦しくないのかい?と。
・・・
こうなってしまうのも恐らくリンゲルマン効果(社会的手抜き)の影響だと思われます。
兄弟が4人もいて、祖母の暮らしている家からある程度距離も離れている。
そんな状況だから「自分がやらなくても、他の誰かがやってくれるだろう」と思ってしまったのでしょうね。
さて、こんなのはまだ序の口です。
リンゲルマン効果はさらに恐ろしい事態を引き起こします。
殺人犯が悪用した【傍観者効果】とは?
傍観者効果とは自分以外に傍観者がいる時に率先して行動を起こさない心理のことです。
名前は違いますが、要はリンゲルマン効果と同じような意味の状態を指す言葉ですね。
で、かなり昔の話になるのですが、この人間心理がある事件で悪用されます。
社会心理学を学ぶ際には、必ず触れられる有名なエピソードでらしいのですが、1964年にニューヨークで起こった婦女殺人事件がきっかけとなり、傍観者効果が提唱されたようです。
この事件では、深夜に自宅アパート前でキティ・ジェノヴィーズ(1935 -1964年)が暴漢に襲われた際、彼女の叫び声で付近の住民38人が事件に気づき目撃していたにもかかわらず、誰一人警察に通報せず助けにも入らなかったというものです。(ただし深夜だったので「女性が襲われている現場」を目撃したわけではない住民も含まれている可能性があります)。
結局、暴漢がその後二度現場に戻り、彼女を傷害・強姦したにもかかわらず、その間誰も助けには来ず、彼女は死亡してしまい、当時のマスコミは都会人の冷淡さとしてこの事件を大々的に報道したようです。
で、恐ろしすぎるのは裁判で当時の心境を問われた時の犯人のセリフです。
・・・
犯人「あいつ(目撃者)はすぐ窓を締めて寝るだろうと思ったが、その通りだった」
・・・
怖っ(汗)
どうやら、犯人は傍観者効果を理解していたようです。
なので、これは「近所の人が冷たい人だった」というわけではなく、「多くの人が同時に目撃していたから」という理由で傍観者効果が働き、誰も行動しなかったのだと思われます。
怖っ(滝汗)
よく「東京の人は冷たい」と言われますが、これは周りに人が多く、傍観者効果が働いているから「他人事」になりやすい状況のせいだと予測できますね。
リンゲルマン効果・傍観者効果の問題はなにか?
では、「リンゲルマン効果や傍観者効果が起こることは良くないのか?」というとそんなことはありません。
人が他人に頼って、自分の負荷を減らすことはいたって自然なことですし、そうじゃないと社会が成立しませんよね。
問題は
- 集団になった時に自分の力が発揮できなくなること
- 集団になった時に行動を起こせなくなること
この2つだと思います。
行動できなくなる原因は、集団になった時に力を発揮する(行動する)理由がなくなるからです。
つまり、先ほども説明した通り、モチベーション(動機付け)がなくなることが全ての原因になります。
リンゲルマン効果を逆手に取る!社会的手抜きから学べる対策
では、リンゲルマン効果を理解し、自分や他人を行動させるためには、どうしたらいいのか?
繰り返しになりますが、行動できなくなる原因はモチベーション(動機付け)がなくなることです。
リンゲルマン効果によって、個人の行動力や力が半減してしまうのなら、逆にことをすればいいはず。
というわけで、組織はもちろん、個人でも応用可能なリンゲルマン効果を逆手に取った活用法と対策を考えてみます。
社会的手抜きを無くすためには、「応援する・される」状況を作るのが吉
J1での通算勝利数5159のうち、ホームチーム、アウェイチームの内訳は、 ホームチーム:2877勝、アウェイチーム2282勝となりホームチームの方が優勢。勝率にすると、ホームチームの勝率42.47%に対してアウェイチームは33.69%。両チームには約9ポイントほどの差が生じることに。引用:SPAIA
褒められる・認められる状態を作る
褒められたり・認められるというのは人間にとってスゴく気持ちのいいことです。
どんな人にも必ず承認欲求というものがあります。
例えば、2017年に『インスタ映え』が流行語大賞になり、インスタ映えを意識したショップなどは大繁盛しましたよね。
インスタで情報発信をする一般人も増えてきました。
SNSが大流行した要因には「承認欲求」が1つの要因になっていると思います。
いかに大量の「いいね」をもらうか、がSNSの発信での1つの尺度になりますが、人は他人に自慢をして認められることに“悦”を覚えます。
やりすぎると「SNSを使った間接自慢がウザい」みたいに言われてしまいますが、この「ウザい」には「嫉妬」も混じっているので、良く言えば、「羨ましい」という感情なんだと思います。
魅力を感じる課題にチャレンジする
個人の能力発揮を周囲に対して「見える化」すること
集団になってしまうと、どうしても自分の役割や成果が見えづらくなります。
つまり、頑張ろうがサボろうが結果は一緒ということになるので・・・そりゃサボりますよね(苦笑)
これを防止するためには、個人の成果を周りに「見える化」することで解決に向かうでしょう。
例えば、バスケットボールはチームスポーツですが、個人がどれくらいの得点を入れたのか?はスコアシートを見れば分かります。
会社などでもチームで動くことはよくあると思いますが、そういう場合はバスケットボールの例のように『個人の能力発揮を周囲に対して「見える化」』してみてください。
この仕組があれば、頑張る意味も感じられますよね。
大企業病対策!少人数グループを作り少数精鋭にする
大企業病と呼ばれるものがありますが、大きな組織になりすぎそうな時は、少人数グループに分けて、個人の責任と成果をよく見えるようにすることで、サボる人は減るはずです。
大企業病(だいきぎょうびょう)とは、主に大企業で見られる非効率的な企業体質のことである。
引用:Wikipedia
これはとある税理士さんから聞いた話なのですが、、、
「組織はある程度大きくなったら、小分けにするようにしているよ」
「支店を作るときの心得の1つだね、これは」
「ある一定数を超えると下(部下)が腐ってきちゃうんだよね」
みたいな話を聞いたことがあります。
かなり全国に支店のある大きな税理士事務所の社長さんの話なのですが、リンゲルマン効果とリンクしているので、「なるほどな」と思いましたね。
まとめ|バカとリンゲルマン効果は使いよう
人間はどうしてもサボってしまう生き物ですが、リンゲルマン効果がマイナスの方向に働いている時にはこの記事で紹介した対策をとってもらえれば問題は解決するはずです。
ぜひ、試してみてください。
では、これで終わります。
ありがとうございました。